一輪の花
それを活けた花瓶
「またですか博士、何度やったら気が済むんですか…」
「うるさいな…何度でもやるさ…花が枯れるまで…」
「もう止めましょうって…」
「大丈夫、花さえ枯れてしまえば…」
「博士…」
花瓶の気持ち
「…ずな、…鈴奈」
聞こえるはずもない声が聞こえた。
目の前は真っ暗で誰もいないハズなのに…
「す…な!…い!おいったら!!」
誰?誰なの私を呼ぶのは!!
「おい鈴奈!!お…ろ!」
だから誰なの!止めて止めて!!
「鈴奈起きろって!!!」
…へ?
その瞬間パッと視界が開けた。
明るい蛍光灯こんにちわ
見慣れた机こんにちわ
真っ白なノートこんにちわ
怒った先生こんにち…わ?
「白崎ぃぃいい!!!」
顔を上げなくてもわかる…ってゆうか上げられないよこの状況っ!
数学担当の先生様だよ、睨んでるよこれ(顔見てないけど)
「教科書p32の問題、ノートに書こうな、描くんじゃなくって」
先生は私のラクガキ癖をよくわかってらっしゃる…。まぁラクガキで何度も注意されてますから…。(懲りないけど)
先生はそういうと黒板の前に戻っていった。
「だーからさっきから起こしてやってんのにおめぇは…」
私の右隣のヤツが言った。コイツも顔を見なくても解る。コイツは私のクラスメートの1人。
「大体、授業中に寝てられる神経が羨ましいっつぅのー」
城ヶ谷 凌だ。めがねを掛けてない真面目君だ。(まぁめがねだから頭良いってわけじゃないみたいだけど
「べっつにぃ、私はあんたより実際、頭良いのでー、多少サボっても問題なかったりするんだよねー」
私は頬杖をつきながら、いやみたっぷりに言ってやった。
「くっそぉ…今に見てろよ…いずれお前が俺にひれ伏し崇め讃えr「そこおしゃべりうるさーーい!!」
先生の言葉によって城ヶ谷の野望宣言は止められた。
城ヶ谷がしぶしぶ机に向き直り、p32の問題に取りかかっている。(このバカまだできてなかったんかい)
私はくっくっくと笑いながら、お気に入りのシャーペンを持ち、窓の外をぼんやりと見た。
もちろん窓の外に教科書の問題などない。私は最初から数学なんてやる気はないし。
どぉせ何度もやるところだから一回くらいサボったって大丈夫。
窓の外の平和な日差しにまたうとうとし始めた。
この席は最高の陽だまりスポットだ。少し木陰に入っているので夏も多少涼しい。ホントに最高だ。
よし…この日差し程度なら、午後も快適だ…。お昼は教室で食べよう…。
確か天気予報も暖かななんたら言ってたし…ああ、今日は最高…だ…zzz
「白崎ぃぃぃいいいいい!!!!!!!」
ああ、誰か私に安らぎを…。。。
いい加減この最高の陽だまりで寝かせてよ!!!
そんな愚痴を思いながら、再び目を開けると
額に血管浮き上がらせ、にこにこ笑った先生がおりました。
「白崎、問題は解いたのかな?かな?」
あ、ヤバイ。怒ってるのに笑ってるよこの先生。デッドゾーン入っちゃった…。
「終わった終わったぁぁぁ〜〜ぃぃい!!」
クラスのみんながそれぞれノビをして、バタバタと動き回ってる。
友達にからみにいったり、自分の鞄から本を出したり、なぜか校庭に出てったり。
私もノビを一回してから机に俯せになった。
4時間目の数学で、私は先生に黒板に出て問題を解けと言われ、
仕方なくどっこいしょと立ち上がり、例のp32の問題(1)と(2)をやった。
私がさっさかさーと解いて席に戻ったので、先生はなんだか腑に落ちない顔をしている。
答えも合っていたのでますます不満そうな顔をしていた。
そして私は陽だまりを取り戻し、うつらうつら…。
ただ、うつらうつらし始めたのが丁度授業の終わり頃だったので
さきほどその陽だまりの、最高の静かな一時が終わった。
お昼を削ってまで寝ていたくはない。
お昼ご飯はしっかりとる。そして午後にまた寝る。よし、完璧な計画だ。
私は心にぐっと決め、鞄からお弁当を取り出した。
今日は、私としたことが中身を我が母親から聞き逃した。
そのため今日のお弁当の中身を私はまだ、蓋を開けるまで知らないということだ。
…良い。良いよこの緊張の一瞬!わくわくしちゃうよもう!!
包みを解き、私はお弁当と向かい合う。さぁ、勝負!(別に戦うわけじゃないけど
私はパカッと蓋を開けた。…きた。キターーーー!!!!!
主食はふりかけご飯という平凡なものに、ハンバーグという絶妙な組み合わせ。
さらに副菜としては人参のバター炒めに粉吹き芋。まるでどこかのレストランのディナーだ。
私は満面の笑みを密かに浮かべ(だって教室でお弁当みて笑うって変に思われんじゃん)自前の箸を構えた。
「いただきます」
まずはきちんと相手にご挨拶。これは戦う(?)前の基本というか礼儀だ。
さぁ…いざ!!歯ぁ食いしばれハンバーグ!!!(←使い方違う
「ハンバーグいただきっ!!」
サイドから忍びよっていた魔の手に、私は不覚にも気付いていなかった。
すばやくその魔の手によってハンバーグを誘拐され、私は唖然としてしまった。
「わぁお☆お口の中のミラクルや〜♪」
サイドは何処かの某グルメレポーターの真似をし、人質(ハンバーグ)を頬張っている。
「…」
私はその事態を認めるのに時間がかかった。
目の前のお弁当箱の中の、メインの数が、2つあったものが1つになっていた。
「…」
私はお弁当箱を見つめたまま、黙って殺気を放った。もちろんそのサイドのヤツにだ。
「…」
私はゆらりとそのサイドのヤツの方を向き、立ち上がって拳を見せた。
「…城〜〜〜ヶ〜〜さ〜〜〜き〜〜!!!!」
私は叫びつつ拳で殴りかかった。
しかし城ヶ崎はすばやく箸で私の拳を受けとめる。(うわ、ハンバーグのタレが手に…
しばらく間。拳を箸で止められたまま私と城ヶ崎は不敵に笑った。
私は空いていた左拳で殴りかかった。
城ヶ崎はそれを右にひょぃと体をひねる。
「ちょこざいな!!」
私の右拳をいったん戻し(タレもすばやく拭く)、再び殴りにかかる。
城ヶ崎は調子に乗って箸をまるでどこかのカンフー映画のように操っていた。
「ほわぁあちゃぁあ!!」
私の鉄拳をまたもや箸でがっしり受けとめる。(うわぁまたタレが…)
「フフ、なかなかやるじゃない」
「お前もな」
どこかのワンシーンのパロ。またしばらくの間。
私はふぅと一息つき、拳を戻した。(そしてまたタレを拭く)
「いいわ、たかが…ハンバーグ…まだ私には一個あるもの!!」
強気に言ってるが、大好きなハンバーグを取られて激しく悔しい。
しかし、言葉通りまだ私には一個残っている!!
私はクールに席に戻り、お弁当箱に向かう。
机の上にあったのは、元お弁当のただの箱だった。
「…」
勢いよくサイドを睨む。
「ニィ☆」
サイド、城ヶ崎がケタケタ笑って(チシャ猫かお前は)自分の弁当箱を私に見せる。
なかみは私のお弁当。ハンバーグ…。
さ、さてはさっきの戦いの隙に移し替えたってーの!!??
「悪ぃな、育ち盛りなもんで」
くぅうう!!!私だって育ち盛りだ!!!もぉぉ許せんッッ!!!!!
乱闘再び。
時はさらりと過ぎて放課後。
あれから空きっ腹をかかえて午後の授業ときたもんだ。(バトルは結局、昼休み終了のチャイムにて無念に終わった…
休み時間にこっそり購買のパンを買って全力で食べた。
ああ、ハンバーグ…。私はせめてハンバーグを想像しながらメロンパンを頂いたのだ。
城ヶ崎のヤツぅ…いつか絞めてやるぅ…。。。
もちろんパンだけでお腹が持つわけがない。
だから今放課後。私は財布を持って買い食いしに。
うきうっき気分でコンビニに行く。足取りは軽い。(お腹空いてるけど
さぁ目標地点あと50メートルぅ!イェー☆
私はコンビニ目指して歩いていた。
白い光
大きな爆発音
それを見たモノ、聴いたモノはただ2人のみ。
「…実験正常に開始しました。これより結果を伺います」
「どうだ…?“花瓶”は割れたろ?“花”は枯れてるか?」
「ええ、“花瓶”は割れましたよ。1人も生きてません。生きれませんって。ただ…」
「ただ?」
「“花”はまだ在ります。枯れていません」
「くそッッ!!!何故だ!!何故“花瓶”のない“花”が存在できる!!!」
「言ったでしょう博士…無理だって…」
「無理ではない!!確実に、この次は成功する!!必ず木っ端微塵だ!!」
「無理ですって…。何度やっても、どんな方法を使っても、“花”は崩壊しないじゃないですか」
「くそッ…。…オイ、“花瓶”を割ったのはこれで何回目だ?」
「計測不可能です。」
「そうか…もう覚えていないか…」
「そう何兆年ごとに“花瓶”を割るんですから、記憶が曖昧にもなりますって」
「そうだな…さて、また観察しなければ…」
「…博士…」
「何だ」
「…いえ、何でもありません。…また新しい“花瓶”…いや、我々の作った生命体源を堕としてきます…」
「頼むぞ、“地面”にあの“花”が根付いてしまったら…我々に害を与えかねん」
「…はい」
一輪の花
「地球」
それを活けた花瓶
「人間などの生物」
我等の目的は“花”を枯らすこと、
つまり地球を崩壊させること。
しかし、万が一我等の星、“地面”と融合、または接触してしまったら
我等は地球を保護、同居しなくてはならないのだ。
我等の星にそんな余裕はない。
そこで、博士はその“花”となるモノ、生命を送り、
生命に地球を混乱させ、一気に崩壊させようという計画を出した。
我等の星を守るために、その計画は許可を得た。
自分と博士はずっとずっと昔から何度もこの計画を行っているが、成功は未だない。
そしてまた地球を困惑させる生命を堕とした。
けれど…自分は思う。
“花”はまた別の“花瓶”によって存在し続けているが、
“花瓶”は毎回割れてしまっている。
我等がちょっと倒しただけで“花瓶”は割れてしまう。
“花”はまた活ければ存在し続けるが、
“花瓶”はそこで終わる。ゴミと化して捨てられる。
そしてまた新しい“花瓶”ができる。
だからこそ…思う。
“花瓶”はどう思ってるのだろう?
我等が作り出した生命には、心があるらしい。
“花瓶”の心は、何を思い、何を考え、何を願っているのか。
我等に簡単に割られて、捨て駒で、“花”だけ存在し続ける…。
理不尽だと嘆くこともできない。そんな“花瓶”…。
“花瓶”の気持ちを、自分は知りたいのだ。
アトガキ
鈴奈シーン時は書いてて楽しかった^^
けど、ラストはああなることは最初から決まってたんで;^^
つーか、こういう宇宙とかでてくる世界観とかどうでしょう?
実を言いますとファンタジー好きの私にはどうも…;..)なんですよ。
まぁいろいろな世界観を描けたほうが良いですけどね。
長くて読みづらい文章をここまで読んで下さってありがとうございました!
07.6.30